2013/05/23

『明るく 元気 素直』がモットーでした[奥田|南山大2年]




南山大学2年(インターン当時) 奥田 達貴

『ホンキになれば、充実感があり、楽しめることもありますが、実力のなかった僕としては、ホンキになればなるほど辛いと感じることもありました。』




受け入れ企業先:エルクアトロギャッツ
インターン期間:2012年9月~2013年3月


◆インターンをするきっかけはなんでしたか?

インターンをする前の自分は、サークルにも入らず、授業もほどほどにこなしていました。起業したいっていう漠然とした夢があって、大学1年に100冊以上の本を読んだりしていました。いわゆる、意識の高い学生だったかもしれません。
しかし、サークルなどに入っていない分、大学生活を十分に楽しめていないことも事実でした。
だから、できるだけフットワークを軽く、やりたいことはなんでもやってみようと思ってました。たとえば、京都に一人旅に出てみたり、一人暮らしをしてみたり、フィリピン留学に行ってみたりと
とにかく直感的に「面白い」と思えば、なんでもやっていたような気がします。
世界一周もその一つで、自分でルートを決めて飛び回ろうと決意していました。

そんなとき、高校の友達からFacebookでフェアの招待がきました。たまたま予定が空いていて、暇だったので参加しました。そこで先輩のOBOGのプレゼンや、経営者との座談会など、フェアの充実度がものすごくて、単純に楽しかったし行ってよかったと思いました。
普段会えないような、いろんな学生とも会えましたからね。
そして、そこでビビっとくる「面白い」経営者に会ったのでインターンをすることにしました。行ったときは世界一周のことしか頭になく、全く興味なかったんですけどね。
気づいたら、ベーグル屋として全国を飛び回っていました。笑

◆インターンで辛かったことはなんですか?

僕のインターン先は「ベーグル屋 エルクアトロギャッツ」(以下ギャッツ)ですが、インターンの業務としては直営カフェの運営や企画・立案、さらにはベーグルの出張販売(催事販売)で、全国各地の百貨店やイベントを飛び回っていました。
辛かったことは、たくさんあります。いわゆる意識の高い学生だったと書きましたが、実際は常識知らずで、敬語もまともに使えないような学生でした。基本が全くなっていなかったんです。常識もなっていなければ、ミスが多く、おそらくギャッツ史上最低のインターン生だったと自覚しています。師匠の友作さんからは「前代未聞だ!」とよく叱られました。

たとえ、大学生であっても、売り場に立てばプロでなければなりません。ベーグルを売れなければ廃棄という責任も負っています。そのプレッシャーの中で、ベーグルの在庫やブランドイメージのことも考慮しつつ、売り場作りや売り方などを自ら考えて実行します。備品と商品以外はすべてインターン生に一任されます。しかし、最初のうちはプロとしての自覚が甘く、不意の一言、一瞬の動作などが原因でお客様から僕個人へのクレームが来ました。百貨店からも、プロとしての意識が足らない僕に対するクレームが何件かきました。おまけに、実力も売上として数字で表れます。ベーグルの在庫も目に見えて、自分の実力を証明します。
催事では、作り手の想いや師匠の期待、大きな売り場でのプレッシャーなどいろいろなものを背負って売ります。だから、自分なりに必死に売りました。しかし、簡単には売れないし、実力もすぐにはつきません。
ホンキになれば、充実感があり、楽しめることもありますが、実力のなかった僕としては、ホンキになればなるほど辛いと感じることもありました。

◆インターンで得たものはなんですか?

これもありすぎて簡潔には言えません。本当の意味で自信もつきましたし、応援してくれる仲間にも会えました。でもやはり一番は、師匠の友作さんからの教えです。
そして、その中でもっとも重要な教えが「明元素」。「明るく 元気 素直」 これが僕らギャッツインターン生のモットーです。
言い換えれば「ポジティブ」になるんですが、これが意外と深いんです。これができれば、どんなときも挑戦を続けられます。仲間が集まります。そして「結果」に結びつきます。インターン期間中、本当にさまざまな壁にぶち当たりました。ホンキになるからこそ辛く、ときにはやめようかと思ったこともありました。自分の実力の無さを知り、みんなのために力になりたいと思っても自分の無力さに嘆きました。
それでも、夢を信じて諦めない。これも明元素です。

「できるとかできないとか 叶うとか叶わないとかじゃない 夢を信じて諦めない」。心の中の自分のこの言葉が、自分の支えになっていたし、これが僕にとっての明元素でした。

一つ一つの催事で困難があり、試練があり、だからこそのチャンスがあります。僕は終盤まで、催事があるたびに悔し涙を流していました。でもその中で、不器用でも実直に成長してきました。
売り場では、お客様がどう来て、どう動いた瞬間に、こっちがどうするのか、細かく検証しました。
売り場での自分の動画を撮り、ホテルで分析したこともありました。必死に試行錯誤をして、一人で特訓もしたりして、諦めずに努力を続けたからこそ、終盤ではベーグルを完売させることもできました。一人で青森に行ったときは、僕の売上を聞いた他の催事業者の方に「兄ちゃん才能あるわー!」と驚かれたりしました。ちなみにそのときは、何人もの社長にご飯をご馳走になり、プロの集団に仲間として扱ってもらえたことも、いい経験でした。

◆これからインターンをやろうと思っている人に一言。

僕は大学受験で人生が左右されるとは思いませんが、このホンキ系インターンシップは僕にとっての人生の節目でした。周りから激変したと言われるほど、成長することができました。
僕自身、どんな失敗を、どれだけしたかわかりませんが、それでも師匠は僕を見捨てたりしませんでした。ぜひ、ここで思う存分多くの失敗を経験してください。社会に出てからでは遅いこともあります。その経験がきっと、これからの人生の大きな糧になると僕は信じています。